調査官の質問検査権について説明してください

  • 2014/5/19
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税務調査というと、帳簿書類をみながら税務調査官がする一方的な質問にうまく返答できなかった社長が修正申告を余儀なくされるというシーンが浮かびますが、税務調査は税務当局と納税者との間の法律関係であり、事実はまったく異なります。税務調査をする際の議論は法人税法・所得税法などをもとに、まず当該職員が納税者に対して取引の事実関係について質問をし(質問検査権にもとづいて)、次にその分析結果が税法通達に適合しているのかを検討、そして検討した結果が法にしたがっていないと認められる事柄について修正申告するように求めるというプロセスです。
税務調査に関して法人税法を例にとって見ると、まず調査官の質問検査の権限について次の規定があります。これは、調査対象となった税務署もしくは国税局所轄の法人そのものに対する調査権限があるというものです。
(当該職員の質問検査権)
第百五十三条 国税庁の当該職員又は法人の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、法人税に関する調査について必要があるときは、法人に質問し、又はその帳簿書類その他の物件を検査することができる。
これに対して、その法人の取引先に対してもその法人との取引に関する調査(反面調査)の権限を定めた規定が次の154条の規定です。
第百五十四条 国税疔の当該職員又は法人の納税地の所轄税務署若しくは所轄国税局の当該職員は、法人税に関する調査について必要があるときは、法人に対し、金銭の支払若しくは物品の譲渡をする義務があると認められる者又は金銭の支払若しくは物品の譲渡を受ける権利があると認められる者に質問し、又はその事業に関する帳簿書類を検査することができる。
また次のように、税務署の調査官は所属する税務署の所轄区域外に存在するその納税者の本店、支店、工場や営業所に対しても、その区域を管轄する税務署に調査を委託しておこなうことが可能です。
第百五十五条前 ニ条の規定は、国税庁の当該職員及び納税地の所轄税務署又は所轄国税局の当該職以外の当該職員のその所属する税務署又は国税局の所轄区域内に本店、支店、工場、営業所その他これらに準ずるものを有する法人に対する質問又は検査について準用する。
なお、税務調査は刑事手続きではなく行政手続きとしておこなわれることが156条で示されています。
第百五十六条 前三条の規定による質問又は検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
これに対して納税者の立場は法人税法162条で以下のように規定されており、調査官の質問に答えなかったり、うそをついたり、真実でない帳簿を提出した納税者は1年以下の懲役または20万円以下の罰金に処されます。もちろんこの条文が適用されるのは告発されて、裁判を受け有罪になるなどの極端な場合であり、調査中に出来心で少しうそをついたりした場合には適用されません。
第百六十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 略
二 第百五十三条又は第百五十四条第一項若しくは第二項(当該職«の質問検奄権)(これらの規定を第百五十五条(質問検杏権に係る準用)において準用する場合を含む。)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査を拒み、妨げ若しくは忌避した者
三 前号の検査に関し偽りの記載又は記録をした帳簿書類を提示した者

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